第85回 天皇杯全日本サッカー選手権大会 決勝 浦和レッズ−清水エスパルス

バックスタンドのホーム側だったので、状況によっては自由席に逃げようかと思っていたのですが、れっきとした清水サイドの人とか、清水寄りで観てる(たぶん大宮な)人とかが周りにいて、割と安心できましたw

キックオフからの最初のプレイでシュートまで持ち込むなど、立ち上がりから積極的な攻撃を見せる清水に対し、浦和はその攻撃をまずは受け止めつつ隙を窺う形で前半が進んでいく。


清水の攻め口はポストプレイから左サイドへの展開、浦和も同じく左サイドで三都主がスピード勝負に持ち込んで鋭く斬り込もうとする。清水の攻撃時には東側のゴール裏から、三都主がボールを持てば西のゴール裏から激しいブーイングが起こるため、ある種異様な雰囲気の中で両者は対峙することとなった。


リーグ戦で残留争いをしていた頃とは全く別のチームであるかのように、中距離のパスによく反応して大小のチャンスを演出する清水。しかし先制点を挙げたのは、セットプレイからの二次攻撃を成功させた浦和であった。


仕切り直して後半、清水の攻勢は更に激しさを増す。しかし攻められている割にはここまでそれほど目立たなかった都築が、ここぞとばかりに立ちはだかり、文字通りゴールに鍵をかけてしまう。


流れはいいが膠着しつつある展開に、長谷川監督がカードを切ったのは25分過ぎ。市川と平松を同時に送り込むと、一挙に試合が動き出した。



中盤でボールを持った長谷部から右サイドに開いたポンテへ。ポンテは赤星とのワンツーで完全に相手DFを振り切り、ボールを中央へ折り返す。そこに走りこんだのがマリッチ。これが浦和でのラストゲームとなるクロアチア人FWは、絶妙のタイミングでゴール前へ飛び出して右足ダイレクトでシュートを決めた。「この1点で勝ったと思った」と酒井も話した、流れるような美しい得点シーンにスタジアムの多くを占める浦和サポーターは沸き返った。
※J's GOAL・浦和側レポート(http://www.jsgoal.jp/club/2006-01/00028133.html)より引用


流れもタイミングも完璧なこのゴールで、国立競技場の空気も完全に変わってしまった。残り15分少々で2点差というのは決して安全圏ではないが、かなり多くの人がここで「勝負あった」と思ったのではないだろうか。私もそう思わずにはいられなかった。


清水もすぐに1点を返し、終わりかけていた流れを食い止めたが、浦和が35分過ぎから早々とボールキープに入ってしまったこともあり、有効な攻撃ができないまま逃げ切りを許してしまうこととなった。